作品名  スーパーオリロボ大戦! 作者  小夏雅彦 <前書き> 公開から約1ヶ月で完結にこぎつけたオリロボ共闘作品。 それでいながら全26話+中盤部分にルート分岐ありというのだから恐れ入る。 まずは参戦作品のチェックから。 ●参戦作品 ○無敵凶刃ロザリオー 思念装機エクスレイド(あらすじと設定のみ) ○隣は魔法使いさん家 ○次世代兵器アサルトホーク 異空甲機カオスブレイズ ○悠久の翼エクサロード 上のリストで先頭に○の付いているものについては筆者が触れた事のある作品だ。 そうでない物は未プレーか斜め読みしかしていないものと思って頂きたいッ。 先に断っておくが、『隣は魔法使いさん家』だけはやっといた方が良い。 あのノリを許容できるかどうかで結構評価が分かれてくる。 もし「だって『となまほ』だから」と言えるのならば、なおの事良い。 方々でロザリオー大戦と言われるほどロザリオーのストーリーを踏襲している。 しかし、本作の世界観のベースになっている以上それは仕方の無い事だ。 言わばウィンキーの第四次SRWにおけるガンダムみたいなものだと思う。 それでは早速本編の感想へと移ろう。 1話ごとに書いていくのも面倒だし、総評だけのレビューは そこらにあふれかえっているので3部構成で書くことにする。 <序盤> ロザリオーの序盤からスタート。 オルクが行く当ても無く故郷に戻ってきた場面から。 「それはひょっとしてギャグで言っているのか?」そんな出だし。 しょっぱなから不幸フラグが折られていくぞぉー。あっはっはー。 何だかんだでオルクが、レタ博士ともどもデモノマターに参入するあたり凄い原作改変だ。 オルクは相変わらず駄目駄目だけど、周囲がそれを暖かくフォローする。 原作では疫病神と言われ続けて蔑まれていたのに、この差はなんなんだッ。 そして何よりアカサ。原作ではチョイ役だったのに、ゲーム的にも凄い頼もしく存在です。 父に反旗を翻してまで自分の理想を貫くとか、めちゃくちゃ画になるじゃないですか! 思わず「アカサ様ァーッ」と叫んでしまいそうになった。そりゃ部下に慕われる訳ですよ。 それにしても緋の十字隊は何故こんなに悪役が似合うのか? 外道だからさ。 <中盤> いよいよルート分岐。13話から16話まで宇宙編と地上編に分岐する。 宇宙編はエクサロードの要素が強く、地上は事実上ロザリオールートだ。 分岐とはなっている物の一応同時に両方プレーできるよう配慮されている。 やったー。やり直しとかしなくて良いんですかぁー! 合流後はデビルグランディエ登場。一時的に緋の十字隊と共闘。 味方が後期ユニットに乗り換えたりして、味方の戦力は充実してきた。 だんだんアカサ様がパワー不足になっていく……。 でもクルセイダーの強さはそれが霞んでしまうほど暴力的なのでした。 レイオーンの登場で再び人類存続の危機が。終盤へと続く。 ところでエクサロード、お前は一体何処へ消えた? 主役機だったのにリメイクで主役機の座から降ろされて、 しかも本作では影も形も無い。お前ほど不遇な機体はないと断言しようッ!! <終盤> と、とうとうオルクがやれば出来る子になってしまった……。 今までは皆から励まされていただけで終わっていたのが、ここに来てようやく一歩を踏み出す。 全てはファタを救いたい一心。周りから背中は押されたけど、紛れも無く自分の意思でだ。 アガートに打ち勝つ場面も原作と同じ展開でありながら、かなり異なった印象になっている。 そしてユーラムがフィーラの復活を諦めるなど、これも原作ではありえぬ展開。 それでいながら原作にあっても良かったのではないかと思わせてくれるのだ。 ロザリオーは結末が3つに分岐するのだが、これが本作がDルートと言われる所以だ。 そして結末は良い意味での予定調和。 さすが姉貴だ。生身でレイオーンマムと渡り合っても何ともないぜ。 それでも単独でトドメを刺せない様にするあたり、さじ加減が分かっている。 <まとめ> 全編を通してまでロザリオーの原作であった救いの無い流れが 周りのフォローで回避される場合が多い。 そういう意味では原作破壊とも言えるが、それ以上に愛が感じられるのだ。 原作のイベントをこなしつつも、少しずつ原作から離れていくのが妙に楽しい。 原作再現をふんだんに盛り込んでいるお陰で、 とくに原作に触れていなくても楽しめるのではないかと思う。 ただし前書きでも書いたように『隣は魔法使いさん家』だけはやっといた方が良い。 1話完結の短編なので、それほど取っ付きにくくは無いはずだ。 最後にこれから遊んでみようかなと思っている人の為にオススメユニットを紹介しておく。 <オススメユニット> ●オルク=サレオス&ファタ 本作に置ける事実上の主人公。ファタのSPに依存する部分が多いものの、 高い生存能力、隙の無い射程、高い攻撃力と3拍子揃った文句なしの列強ユニット。 オルクは前期仕様だと遅成長が付いている為、そこは注意する事。 強制出撃が多いので優先的に機体を改造してやろう。 ●ランクル=マホーニン 序盤は乗ってる機体が悪いので『幸運』持ちである事以外パッとしないが、 ルート分岐後に再登場した途端にものすごい事に。 機体が強化されるだけでなく、サブパイロット付き。 しかもそれがアストロソスなので強力なバリアや武装まで解放されるのだ。 おまけに気力が上がると味方フェイズ開始時に『ひらめき』まで自動発動する。 普通にボスに殴りにいける脇役って凄い。 ●桐島匠&ティア=エルゼ 彼らの搭乗しているエクスレイドは近接攻撃主体の典型的なスーパーロボット。 鈍足である事と遠距離武装が弱いということを除けば、全てが及第点以上。 サポート能力こそないが、その分単体で立ち回ることに長けている。 何と言っても最大の売りはその攻撃力だ。 序盤こそSPや武装の関係でボス戦は辛いが、中盤以降は頼もしいボスアタッカーになる。 また匠が努力を覚えるので非常に育てやすい。 ●安藤司 彼もエクスレイドより参戦のキャラだ。 彼の搭乗機体のキャリバーンはエクスレイドとデータ設計が似ているが、 射程が長かったり、『統率』持ちだったりする点でこちらの方が器用だ。 『援護攻撃』を持つキャラとセットで運用すれば火力もエクスレイドに迫る。 ただし生存系SPが『忍耐』と『集中』だけだったり、 サブパイロットが居ない点では匠&ティアに軍配が上がる。 ●高山太陽&佐々木七海 彼らの乗っているヴェルガリオンは非常に高スペックな陸戦型ユニット。 燃費に優れた『コロナタイプ』と攻撃的な『オーシャンタイプ』を使い分けられる。 基本的には『オーシャンタイプ』で攻撃し、減ったENを『コロナタイプ』で回復するか、 あるいは『コロナタイプ』でザコのHPを削り、ボスの時に『オーシャンタイプ』に変形するかだ。 太陽が『援護防御』持ちだったり、七海が『脱力』持ちだったりするので サポート能力も結構高かったりするのだ。 エアスケートシステムを装備させると恐ろしい強さを発揮するが、 プレイヤーのスキルに左右される部分も多いので気をつけよう。 ●ポラリス=ノイセン 言わずと知れた強烈な射撃値と命中回避をもつ縛り屋。 突っ込んで『ライトニングウェブ』をぶっ放すだけで大半のザコが無力化できる。 あるいは反撃して削るというのも選択肢の一つだ。 単機で突出してもその回避能力の高さから、撃墜される事はごく稀である。 知覚強化によりSP消費が増加しているものの、それでも強い。 技量が最高ランクなのでボスクラスのユニットでも麻痺状態にできるかもしれない。 また単に状態異常を付加するだけでなく、『魂』+『グラビティバレット』で ボスのHPを削るという芸当も可能。貫通属性つきとは言え攻撃力が『1600』しかないのに! しかしボス戦では惜しみなくSPを使わないとあっさりと落とされる可能性が高いので注意。 特に連属性を持ったボスは『ひらめき』を使わないと攻撃が回避できないのだ。 ●リロイ=アーヴァンク 序盤の機体が悪いその2。 援護の鉄人なのだが、序盤は耐えないわ避けないわで散々です。アイテムのスロットも1だし。 攻撃力自体はあるのだが武装の気力制限がキツめなのも泣ける。 なので序盤は優先的にユニットのランクを上げてやるべきだ。 後期ユニットになっても生存能力は相変わらずだが、火力に磨きが掛かる。 継戦能力も相当な物なのでガンガン味方を援護させよう。 装備させる強化パーツは援護防御を使う事も考えて、耐久系のアイテムが良いだろう。 本作ではバリアを持っているボスが多いので、『看破』を覚えるという点もかなり大きい。 ●クレア=レインフォース 序盤の機体が悪いその3。 使い勝手の悪さの最たる原因はスマートライフルの射程である。 3〜4って何なんだよ!! フォーメーション組んでも敵が射程外じゃねえか! 馬鹿野郎w しかし後期ユニットになると序盤のの弱さが嘘のようになる。 機体だけでなくパイロットにも後期型が用意されているので能力が大幅アップするのだ。 しかもサポートパイロットが付くのでSPまで充実する。 先のスマートライフルを後期ユニットも装備しているのだが、 射程が2〜4に改善されているので使い勝手は段違いだ。 後期ユニットの生存能力はかなり高いので、アイテムはEN増強系のものがオススメ。 ●アレン=クレイス 援護攻撃を持っている射撃系ユニット。 敵に隣接されるとほとんど攻撃手段がなくなるものの、武装はかなり充実している。 彼女の強みは必中を持っているという事だけでなく、 状況に応じてマップ攻撃でザコのHPを削ったりできるという点だ。 援護攻撃は発動するのは敵の反撃後なので、 マップ攻撃を使ったほうが被害が少ないという場合も出てくる。 さらに後期ユニットの必殺技『フィールドブレイカー』はバリア貫通という鬼仕様でありながら、 他にENを使用する武装が無いので使用回数がほとんど圧迫されない。 ただし燃費自体は悪いので注意。