S_News Scenario Cross Review

第一回
機動戦記SilverWheel

【注意】
この回は旧S_News時代のレビュー規定に沿って行われているため
一部に刺々しい表現が含まれています。
各方面から批判及び指摘を受けた結果、第二回以降では
新しくDSCのレビュー規定が適用されており、
旧S_News時代及び第一回と第二回以降のレビューは
並べ比べることが困難となっていますので、ご了承下さい。

大分時間がかかってしまいましたが、
ようやく準備が整いましたので、S_News新装開店後最初の
SRCシナリオクロスレビューをお届けします。

記念すべき今回のお題となるシナリオは、
一生十八(いつき とおや)さん作の『機動戦記SilverWheel』です。

なお、レビュー内にて「攻性シナリオ」だとか、「DLページ」だとか
監査上の突っ込みを多々受けましたが、前者は私の解凍ソフトが
自動的にフォルダを生成する設定になっていたための見過ごしで、
後者はシナリオ規約改正のゴタゴタに伴うものです。

つまり、全部私のせいです、ゴメンナサイ。(;´Д`)

それでは、レビュアー紹介です。
なお、一部の方はペンネームとなっていますので、あしからず。

RIO
ご存知毒番長。有名日記サイト管理人。
KING-SHOW
SRCプレイヤー。非絢爛舞踏。
幻魔の公子
質問掲示板に君臨する双璧のお一人。戦闘しか語らないよ、と勧誘時に宣言。
天羽碧
あそう−みどり。セロニアスの異名を持つレビュアー。
無駄
夏にKanon、冬にAirをプレイしてる人
上条真
DSCシナリオサポート部長。本家ランキング上位シナリオの製作者。
ゲシュトハルト
S_News常勤編成委員。艦隊戦リレーに参加。
えすたま
S_News編成局長。最近SRC関連のブックマークにリンク切れ多発。
三笠
DSC代表。管理専業と言い張って半年以上。

【RIO】

いきなり、圧縮がディレクトリ付きじゃないので中身ぶちまけられる。
これは攻性シナリオって言うんだっけ?
プレイ前からかなり印象悪い。多分これから悪口ばっかりになりそうな予感

Readmeは読まない。先入観を捨てるため。印象悪くなってるけどな。

SW01.eveを起動。無事起動
イントロで宇宙世紀という事が分かる。0080なので一年戦争か
ガンダム中心っぽいので、ちょっとどーでも言いかなぁとか思い始める。
まぁでも0081って年代でちょっと期待出きるかも。
少なくてもカミーユにガトーはいない

は? SilverWheel? 地球圏の乱れを守る企業?
随分と危険な企業だなぁ。いくらでも悪の総元になれる設定だよなぁ
だいたい企業なんだから利益優先なわけである意味死の軍人になれるよなー

OPか。
協力者とかその辺がつらつらと
アイコン作者までかかれているなぁ。こういうのってエンディングでやらんか? 普通
待つのめんどっちー

MIDIはオリMIDIか
ふむ。テロですか。言葉使いはともかく言ってる内容は実にいい
思想犯ってこういう奴多いよなぁ。

で、主人公っぽいのが登場。MSは…GMか。ゲンナリ
主人公の特殊能力多いなぁ。指揮とチームリーダーっておんなじちゃうん?

で、陸戦ガンダム登場
むーパイロットのグラッフィクコミヤさんか
主人公と全然あってねー

戦闘バランスは悪くないなー
バカテロリスト倒してブースターゲット
しかし何故に日本なんだろーな

第2話

さっきのと別働隊か

なんか会話の内容が微妙のローカルというか
さっきから思ってたけど、なんか書体くさい会話が多いような
後、なんか作者の意識が入りこんでる変なネタとか、
版権がどうとかキャラに語らせてもなぁ

ここまで全部オリキャラなので、どーも愛着わかんなぁ

G−3にピクシーにマドロック? 知らん
1話に出てきた奴が増援

敵も増援。何故にそんなに離れた場所に出るかなぁ
適当に撃退。

5人には色々因縁があるっぽいけどよくわからんな。

とりあえずここで終了。

うん。最初の悪印象を払拭するくらいの出来ではありました。
まぁすげー面白いってほどじゃないけど、普通に楽しめるかなって所。
後やっぱりMIDIはちゃんとなった方がいいねーと思ったのでありました。

終わり

三笠注:RIOさんの今回のテーマは5分レビューだそうです。

【KING-SHOW】

「機動戦記SilverWheel」をプレイした

 まず冒頭、「腐敗した官僚政」という言葉の用いかたはどうだろうか。「腐敗した官僚政治」にすべきではないか。他の作品と比べてマシ、なレベルで満足してもらっては困るので、以下に不自然と思われる文章を抜粋してみた。
・「これはその時代を生き抜いた、時代に、戦士である事を求められた少年たちの戦いの史である……」
・「では指定の口座まで、今回の報酬は振り込んでおいて下さい」

 その他に気がついた点としては、一般人による掛け合いをやるのであれば、せめてアイコンは別々に用意するべきだということ。

 愛徳院がどのような人物で、彼の名前が本名なのか偽名なのかはさておき、唐突に登場するテロリストのリーダーということだけなのであれば余計な情報は要らないのではないか。したがって名前は伏せるべきである。と思ったら一話クリア後に辞典で解説されていた。ただしこの辞典というものは作者のオナニー要素全開なので、あまり意味がない。物語中でやらなくてはダメなのである。

 ああそう、辞典は全く要らない要素だと私は考える。せいぜい、更新期間のあいたオリジナル長編シナリオのプレイを再開するにあたり、忘れていたキャラを確認するくらいの使いみちしかないのではないか。

 戦闘パートについて特筆すべきことはない。味方キャラの顔見せという意味合いが強いだろうから。

 結論から言えば私は一話でこのシナリオに引きこまれなかった。よってプレイはここまでとする。でもってSRCを終了の手続きをしてみたところ、なぜか鬼太郎が出てきてお別れの挨拶を述べ始めた。なるほど、Exitが入っていないからか。本体フォルダのDataが空っぽならそのまま終了となるのだろうけれど、過去の遺物をそのまま残しているプレイヤーの場合、こんなふうになっちゃいます。配慮を。

【幻魔の公子】

 さて、それはそれとしてシナリオの中身に目を向けましょう。どこにでもあるようなオープニングをさっさとすっ飛ばすと……スタッフロールのようなものが出てきます。無音状態の中(私は基本的にMIDIデバイス無しで、さらにミュートにしてプレイしています)HNの羅列を見ているのは甚だ辛いですが、これはシナリオ作者のせいではないので終わるまで本でも読んでいることにします。……音があっても辛い気はしますが仮定形で話すのは止めましょう

 初っ端から気力-10程されつつも、8話までリリースされているうち7話までプレイしました。7話で投げたともいいます。なお、基本的に、私はプレイし始めたシナリオは最低リリースされている分はプレイするようにしているということを言い添えておきましょう。(笑)

 とりあえず、戦闘バランスとしては、ヌルゲーマー対応ならこんなものだろうかって感じです。味方がやたらと強いので(と言っても、ネタの領域に突入するほどではありませんが)思いっきり簡単です。まぁ、それはオリキャラの宿命なのでしょう。強いだけで大した個性のないキャラが大量に並んでてもプレイする意欲には影響を与えないと思いますが。

 簡単なのは好みの問題なので良しとしても、他にマイナスポイントはあります。まず、援護を使っているのに、第3話までそれを使わせるような構成になっていないという点。第1話で援護を使えば有利だと説明していますが、それならば援護を確実に使える構成にすることにも配慮すべきでしょう。

 第1話では初期配置が一機で味方増援があるという情報が途中まで与えられないため完全にプレイスタイルに依存しますし、第2話では上下から来る敵を固まって迎え撃つことにデメリットがあるため、どちらも援護を生かせるような構成になっているとは言い難いです。

 それから、勝利条件コマンドで見られる勝利条件と異なった条件でクリアになり、それのフォローも、それを示唆する情報もなしであるマップが存在する点。私見ですが、プレイヤーを、気付く余地なしに騙すようなゲームはそれだけで価値無しだと思います。

 他、防衛マップで、防衛するべきユニットを敵が狙ってこないので危機感が欠片ほどもないとか細かな点はいくつかあります。

 というわけで、粗こそあれ、ゲーム面で特筆すべき点はありません。

 故に評価としては、コミヤコサメさんのオリキャラアイコンが好きならプレイしてみても良いのではないか、というところでしょうか。少なくとも、オリキャラシナリオの中だけでも、もっと面白いシナリオはいくつもあります。

 ……ストーリー? 別に私が語らなくても、どなたかが語ってくれるでしょう。とりあえず、まずキャラを理解させなければ、どんなシリアスな展開も白々しいだけだと言うに留めておきます。

【天羽碧】

 おそらくこの作者さんは、2話の美鈴とフェイの会話を見る限りでは、軽い雰囲気の中のシリアスを書くのが向いているように思えるのですが、4、5話くらいまでは、どうもその軽い雰囲気をどういった方面に持っていけばいいのか決めずに書いていたようです。
 2話冒頭の茶畑云々がいい例になると思います。茶畑や暮らしやすさランキングといったキーワードで不条理ギャグをしたいにも関わらず、「お茶がそんなに重要なの?」と真に受けた会話をしているため、不条理ギャグとしてもシリアスとしても不徹底になっています。不条理ギャグとするなら「サイド6出身」などといったガンダムネタを無理に入れないで、「お茶がないと狭山なんてただの空き地にすぎないんです!」といったくらいまで自虐的な部分を強調するべきではないでしょうか。
 他にも、愛徳院の友愛云々が挙げられます。これは田中芳樹的な皮肉というか風刺を描きたいのでしょうか、愛徳院の滑稽なセンスを笑いたいのでしょうか。どちらでいくにせよ、徹底するところまで徹底した方がよろしいでしょう。
 ついでに言えば、美鈴とフェイの会話の版権ネタは、自分のオリキャラのオリジナリティを地に貶めるだけなのでやめた方がいいでしょう。世界観をSRCというジャンルで考えず、自分の世界観として受け止め、その中で版権ギャグや茶畑が妥当かどうかを考えてみるのもよいのではないでしょうか。

 逆にシリアス部分は、王道であるにしろ、SRCの中ではかなり読める部類に入るでしょう。中途半端な不条理ギャグを入れず、コメディの方向から軽い雰囲気を取り入れるようにすればうまくいくのではないかと思っています。
 戦闘に関しては、学ぶべきところがいくつかあります。1話で援軍として現れた陸戦型ガンダムが移動力3で、「移動力3はやめてくれ」とプレイヤーに思わせておいて、その話の最後でブースターが手に入るというやり方はうまかったですね。2話の茶畑防衛、3話の母艦防衛と、ただの作業で終わらせないようにワンアクセントつけているあたりに好感が持てます。その分、4話や8話のような手抜きマップを見せられると、一気にやる気がダウンしてしまう危険性も孕んでいます。
 あとは細かいところの指摘となりますが、音楽は一種類を流しっぱなしにした方がいいでしょう。現状だと、せっかくのクオリティの高いオリジナルMidiがぶつ切りになってしまいます。せめて、Map1.midはどうにかしてもらえると助かります。
 機体が複数手に入りますが、どれを改造してよいのかわからないので(後期に新ユニットが手に入る可能性もあるため)、なるべくなら改造費キャッシュバック機能なり機体売却システムなりを導入しておいた方がいいと思います。できればどの機体がどのような性能なのかを本編で説明してくれるとうれしいですね。「瑠雨のライトアーマーは機動性が高い割に装甲が紙切れ同然だ! 危なくなったら無理をせずに戻れ!」とか。
 会話文、「(汗)」やBタグ、フォントサイズの乱用には気をつけた方がいいです。これらは文章力の成長を止めようとする悪魔たちです。特にBタグはちゆ以降流行っているようですが、これらに頼らなくても笑わせるくらいの気概を持ちましょう(システムメッセージにつけるのはわかりやすくていいと思います)。加えて、半角コロンが句読点以外の場所で使われているのにも気になりました。

 最後に、シナリオコーナーのリンクは、できればダウンロードページのトップに張った方がいいでしょう。解凍された時、中身がぶちまけられるのもどうにかした方がいいでしょう。こういったものまで監視するのもDSCの役目ではないかと思うのですが。

【無駄】

オリキャラガンダムかー。

えーと、とりあえず頭に一つ言いたいことは、
オリキャラを把握させる方法として、
(把握せんでもいいとか言うなや)
SRCの戦闘メッセを個性的にする。
とか言うことはしごく重要な位置にあります、たぶん。
(痛いメッセかどうかは別として)

で、そう考えると、
このシナリオのキャラの戦闘メッセなんかは、
まあよく練られている方かなあ、と思うんですが。
これ、戦闘が結構長丁場になるシナリオなんで、
1シチュエーション4〜5通りという量では、
どうも繰り返しが多くなります。なりました。
で、繰り返しが多くなると、普通人はどうするかというと、
飛ばします。

戦闘メッセ飛ばすという事は
戦闘そのものが「早く終わるかどうか」が評価軸の
「単なる消化試合」に近づきます。

飛ばし癖が付くのはよくないことで、つまりまあ、2話のような、
特殊なイベントをたてても、
読み落とされる率が無意識的に高くなります。

無意識に出る不満というのは、
「よくわかんないが、難しい」
「どこに書いてあるんだよ、そんなこと」
「なんや知らんが卑怯臭い」
……などなど、ケチのつき始めになります。
ということ。

あとSRCのゲーム的性質上、
回避メッセと他のメッセでは回避メッセが出る確率が異様に高いんで
(機体特性、キャラ特性なんざ「ひらめき」 or 「集中」で無視されちゃいますから。)
増やすんなら回避メッセを増やした方が効率がよいです。
鉄壁持ちには小ダメージ増やすとか。ね。

はなから戦闘メッセぶっ飛ばすプレイヤーさんも多いみたいですけど。

なんか本編関係ない文だな。某メルマガに投げた方が良かった?
まあいいか。
「美鈴ちん」がちょっと痛いかな。後はそんなに痛くない気がする。

【上条真】

私自身、SRCシナリオを公開している身でありますし、
しかもDSCでシナリオサポートをやっている人間ですから、
レビューは主にプレイヤーとしてではなく、
シナリオライターとして見ていこうと思います。

さて、数話進めてまず思ったのは「惜しい」という一言です。
ストーリー、戦闘バランス共に決して悪くは無いと感じます。
いえ、むしろ良いと言えるレベルにあると思えるのですが、
セリフがぶつ切りになっている部分に違和感を感じてしまいます。
もう少し分かりやすく言えば、会話のテンポが悪いと言えばよいでしょうか。

Talkコマンドでは途中に";"を挿入しておくことで
段階的なメッセージ表示を行なえますが、これが多用されているのです。

セリフを段階的に表示するのは、演出上有効な手段なのですが、
多用すればプレイアビリティにも影響しかねません。つまり、区切れば区切っただけ
プレイヤーにクリックを要求していることになるということであり、
その回数が多いとメッセージを読むことが苦痛にもなりかねません。
このことを意識することで、より読みやすくなるのではないかと思います。

あとは、私個人の感覚ではあるのですが、
多少気にかかったことですのであえて書こうと思います。

それは、「なぜ彼らなのか」ということ。
例えばアニメでは(ここではいわゆるロボットアニメに限っておきましょう)、
作中にて主人公がロボットに乗るための理由が描写されているため、
特に違和感を感じることなく受け入れられます。

アニメの例を借りてさらに例示してみましょう。例えば『機動戦士ガンダム』では、
主人公であるアムロ=レイの住むコロニーがジオンの襲撃を受け、その結果、
彼はガンダムに乗り込み、戦うことになります。
そこには乗り込むまでのドラマ…つまりは乗り込んだ理由があります。

そこで、本作のプレイヤーキャラクターである彼らですが、
彼らの属する組織の「戦う理由」は分かりますが、
その組織に属する彼らの「戦う理由」がはっきりしません。

オープニングの一節に「時代に戦士である事を求められた」とありますが、
その辺りの説明があればこのように感じる事はなかったのではないかと思います。
おそらく、今後明かされる部分であるとは思いますが。

本作では、先程の例を使えば「いきなりガンダムとザクが戦っている」状況から
始まっているように感じるのです。つまり、ガンダムに乗っているパイロットは問わない。
そんな状況に感じました。これは、特にオリジナルキャラクターであるが故に
感じたのではないかと思います。

最後に。「なぜ埼玉なのか」という疑問は最初から付きまといますが、
それもあくまで疑問であり、違和感というほどにはなりません。
また、戦闘は比較的簡単ではありますが、プレイヤーの技量次第では苦戦する可能性もあるでしょう。
ストーリーも今後の展開に期待を持てるものであろうと思います。

【ゲシュトハルト】

一年戦争後の日本を舞台にした、ガンダムオンリーのシナリオ。『地元埼玉を舞台に〜』という触れ込みに反して、内容は最近のSRWベースシナリオ等とは比較に成らない程の本格派で、宇宙世紀という世界をとても丁寧に描ききっています。シナリオそのものを見れば、商業誌のコミック等に連載されている宇宙世紀を舞台にしたオリジナルシリーズとして、実存していてもおかしくないと思える程ですので、G,W,Xと宇宙世紀以外のDQNなヘタレ作品ばかりが延々と続くTVシリーズにウンザリさせられ続け、遂には『ガンダムのTVシリーズで、宇宙世紀を舞台にした作品をまた見せろやゴルァ(゚д゚)』と、涙を流し泣き叫び続けてきた、その筋のうるさ方の皆様なら逆に泣いて喜び『都会の空の下をのた打ち回る(By.でじこ)』事必至でしょう(^^)
※自分は∀ガンダムとかは好きですが(汗

民間の警備企業が一年戦争後の混乱に巻き込まれていく、という独自設定でありながらも、主人公達の所属する警備企業、それを取り巻く軍需企業戦後の混乱に乗じて、勢力を拡大させていくティターンズやテロリスト達が繰り広げる駆け引き、そして衝突等の描写が『宇宙世紀の世界設定』に則る形で、とても丁寧に描写されていますので、個々の新設定や、それらにまつわるエピソード郡にも説得力が有り、自然と作品世界に溶け込んで行ける事は間違いないでしょう。一部、地元ローカルネタも含まれてはいますが、これも作品内の生活感を 高めていて、リアリティがあって良いのではないかと思います。特に、第二話での『茶が唯一の特産品なんです!!』という台詞は、 宇宙世紀の時代では、地球で生産される自然食品が地球優遇政策の影響でスペースコロニーへ輸出するに当っては莫大な関税が課せられる、貴重な贅沢品とされている、というガンダムシリーズの公式設定をご存知の方なら手を叩いて納得させられてしまうでしょう(;´д`)
(考えてみると、宇宙世紀って生活し難い時代ですねぇ…^^;)

キャラクターの描写も素晴らしく、ただ設定をだらだらと流すだけの物ではなく、それぞれ明るい面とダークな面をしっかりと見せてくれるのでストーリー重視のシナリオを求められている方も大満足でしょう。特に、第7話で今まで平静な青年だった仲間の一人が、突然黒い内面を剥き出しにして、生身で恐慌状態のティターンズ兵を射殺するシーン等はこれぞガンダム作品!と言った系統のハードな描写ではないかなと思います。

勿論、シリアスだけではなく、恋愛やギャグといったライト方面の会話も充実しており『肩揉んでるだけなのに……何でこいつは、こんな紛らわしい言い方ができるんだ』等々、読んでいる側が思わず目を背けたくなる位(←誉め言葉です)くすぐったくなるシーンもあり、そうかと思えば『やっほ、美鈴ちん♪やめへんよ。たとえ版権の問題がヤバかろうとね!』といった、かなりディープなギャグの応酬が展開され、思わず仰け反ってしまう所もあり、非常に楽しめました。そして、ヒロイックな展開も当然用意されており、特に第6話でのブルーディスティニ―出撃シーンは、BGMと本当に良くマッチした演出とEXAMシステムの圧倒的なパワーの描写がしっかりと噛み合っており、嫌がおうにも盛りあがる事間違い無しのシーンになっています。

オリキャラオンリーという枠組内でのガンダムシナリオ、という事もあり本家ガンダムのゲームシリーズ(機動戦士ガンダム外伝等)等での新規参入キャラクターが好き、という方なら問題なく入り込めるシナリオでしょう。

断言します、DL必須です!

【えすたま】

さて、肝心のシナリオですが6話までプレイした感想を述べたいと思います。

登場するキャラの趣味が同人であったり、「ギャルゲーの主人公みたい」「……(汗)」というセリフがあったり、妙にオタクの内輪受けを狙ったような点が鼻につきます。

キャラは完全オリジナルではありますが、世界観は一応ガンダムのものです。
コミヤコサメさんのオリキャラアイコンとあいまって、その世界観を壊しているように思えました。

コミヤコサメさんのアイコンは凄く可愛らしくて使いたくなるのは解るのですが、やはりUCガンダムにはちょっと画風が合わないと思います。

上記の内輪ネタも含め、「そういう作品なんだ!」ということであれば話しは終わってしまうのですが、私個人の好みとは合わない作風のシナリオです。

次に、設定に関してです。

主人公らが所属する組織は私兵を擁する世界国家企業「SilverWheel」ということなのですが、成り立ちが説明されていないのでどういう組織なのかイメージし辛いです。

1話冒頭で『警備保安企業』とあるので、セコムのスゴイ奴という認識で良いのでしょうか。

>一般人B「ああ、それなら大丈夫だ。:;今さっきSWと連絡がついた。:手近なMSをよこしてくれるそうだ」

>Talk パンピ
>急にこんな連中の相手を頼んでしまって;すみません
>Talk 鏡之介
>構いませんよ。:;テロなんぞ、たいがい突発的なものですから
>では、指定の口座まで、今回の報酬は;振り込んでおいて下さい

ピザの出前でも頼むかのような感覚ですが(笑)
軍隊を運用するのに必要な経費+利益分を支払っているであろうに、いくらなんでもこれはないのではないでしょうか。
新鋭機を配備している部隊を全世界に展開できる軍隊をそれで維持できるの疑問です。
平和のために戦う裏で覚せい剤でもバラまいているのでしょうか。

ティターンズを相手に簡単に反逆しているのも気になりました。
ティターンズは正規軍、それに反逆するということは全世界を敵に回すということ。
「SilverWheel」が抱えている人間がどれほどかはわかりませんが、その人達の命運を現場の判断だけで決めてしまうのはどうかと思います。

他にも色々と穴はあるのですが、全体的に丁寧に作られてあって悪い作品ではないと思います。
これからもがんばってください。

#4話のプロローグでキャラ達が「もずく」を連呼していたのが印象に残りました。
#不覚ながら笑わされてしまいましたよ( ´∀`)

【三笠】

まずOPに関してですが、画像演出があるわけでもなく
淡々とスタッフロールを流すのはプレイヤーを飽きさせてしまいます。
折角のオリキャラシナリオなので、カットイン的にパイロットアイコンと
セリフを挟むなどしてアクセントを付ければ、もっと良くなるかと。
まあ、スタッフロール自体にどの程度の必然性があるかは疑問ですが。

Talkウィンドウ内というのはあまり文字装飾を行うのには
向いてないと思うので、特に地の文をタグ装飾するのは避けるべきかと思います。
改行や間を上手く使えば、タグを使わずとも強調などの演出はできますし。

さて、キャラクターに関してですが、オリキャラというのは
プレイヤーが一切予備知識を持っていない事を念頭に入れて、
きちんと各々の個性や人間関係が把握できるように、
上手くキャラ立てをしてあげないとなりません。

フェイや愛徳院はその台詞のクセゆえに充分な持ち味を出してますし、
鏡之介と沙理は露出の多さ、昴は強化人間という設定描写、
そして樹は織田との復讐イベントである程度印象付けができています。
峰崎に関しても、若干不徹底な部分もありますが、飄々とした雰囲気が
上手く出ているほうでしょう。

しかし、他のキャラとなると今一つ押しが弱く、
印象も薄くなりがちです。インターミッションでのキャラクター辞典で
色々とフォローはしてあるのでしょうが、
辞典はあくまでオマケであり、シナリオの進行上プレイヤーが必ず
見るとは限りません。キャラクターが活躍するのはシナリオ内であり、
プロローグやエピローグ、攻撃イベント等で効果的に設定を描写していく
努力が必要になるでしょう。

次に、SilverWheel社の設定に関して。
星方天使エンジェルリンクス等でも警備保障会社は描かれてますが、
本作では今一つ企業としての実体が見えてこないのが残念です。

連邦の弱体化に伴って私企業による安全保障の需要が生まれるのは
流れとして自然ですが、装備や部隊の維持運営に莫大な費用のかかる
私設軍隊ともなると、それなりの高額な報酬を要求して然るべきです。
第一話では一民間人が公共料金の振込みに応じるような手軽さで
それに応答しているあたり、今一つリアリティを損なうように思えました。

また、ティターンズが恐らく支店長クラスであろう峰崎に
直接圧力をかける場面というのも今一つ違和感を感じてなりません。
国家権力に関わる軍隊ならば、SilverWheel本社経由で圧力がかかるのが
当然なはずなのに、ややご都合主義に思えてしまいました。

構成はよくまとまったものを持っていますし、
台詞回しも若干拙さが残りますが水準以上を維持しています
多表情アイコンの使い方にも非常に魅せられるものがあり、
比較的スムーズにストーリーを進める事ができたので、
更に上を目指してもらえればと思い、多少辛くレビューをしてみました。

最後に。私、埼玉県人です。

狭山。あそこ、茶だけでしたっけ。他にも何かあったはず。
……丘陵とか、何か。思い浮かばない、多分何も無いのでしょう。
それから、浦和市はもうありません。さいたま市に変えておきましょう。
暮らしやすさランキングに関しては、
埼玉の何が悪い、コンチクショウ!」ということで一つ。
そして、どうか一つ、桶川市を出してください。(笑)

後記

旧S_News時代より多くの方々がレビューをして下さいましたが、
いかがでしたでしょうか?

今後もできるだけ定期的にレビューをお届けしたいと思っていますが、
次回の予定はまっさら白紙です。どないしよう。(|||;´Д`)

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