S_News Scenario Cross Review

第二回
テラ・ガーディアン

前回から実に三ヶ月も経ってしまいましたが、
第二回シナリオクロスレビューをお届けします。

今回のお題となるシナリオは、
白夢さん作の『テラ・ガーディアン』です。

それでは、レビュアー紹介です。
なお、一部の方はペンネームとなっていますので、あしからず。

KING-SHOW
SRCプレイヤー。非絢爛舞踏。
YUYU
S_News念願の一般応募レビュアー。
三笠
DSC代表。管理専業と言い張って1年近く。
RIO
ご存知毒番長。有名日記サイト管理人。
天羽碧
あそう−みどり。セロニアスの異名を持つレビュアー。
無駄
夏にKanon、冬にAirをプレイしてる人。
コンバット越前
MIDI屋らしいです。
上条真
DSCシナリオサポート部長。
えすたま
S_News編成局長。最近S_News書いてくれません。

【KING-SHOW】

 「テラ・ガーディアン(リニューアル)」をプレイした
 いわゆるSRWモノ。例によって訓練を終えた新兵が主人公らしい。オリキャラである。でもってプロローグではギャラクシーエンジェルが劇場版ナデシコのアキトと遭遇している。つまりこのシナリオはオリキャラと版権作品の共闘シナリオということになる。これは本家SRWの魔装機神の成功が引き金になっている。やったもん勝ちというか、第2次スーパーロボット大戦から登場したバンプレオリ作品の魔装機神は支持を得た。私もライバルキャラであるシュウのラスボス機ネオグランゾンは大好きだ。SFCでは単独の魔装機神としてゲームが出、またパラレルであるにせよPSゲーム、果てはテレビアニメにまでなっている。大出世作品といえるだろう。ところが2匹目のドジョウは容易ではなかった。超機大戦SRX、その他オリロボ作品は一部の支持は得られたものの、魔装機神ほどブレイクしなかった。本家でもこれなのだから、SRCでは尚更のこと難しいのは自明だ。それでもこういったシナリオは今後も製作されるだろう。私も含めて皆、夢が見たいから。自分が発生させたキャラがアレやコレなキャラたちと共闘するってのは、ほんと、最高ってカンジなのだ。だから、仕方ない。ライターはこれでいい。だがプレイヤーはそうはいかず、オリキャラは冷遇される。これは仕方ない。画期的なキャラ立ての方法、そしてそれを成功させでもしない限り、これは割りきるしかないのだ。私も当然ながらこのシナリオにおいてオリキャラはベンチに下げた。強制出撃の際に苦戦するのはやむを得ないが、例によってたいていのオリロボは高スペックなので絶望的な難易度にはならなかったりする。
 さてこのシナリオは大まかにいうなら地球圏に侵攻を開始したオリ敵を迎え撃つべく、ロンド=ベルが活躍するものである。従来のそれと違うところは劇場版ナデシコに力点が置かれていることと、ギャラクシーエンジェルのエンジェル隊が序盤から参戦していることだろう。その他はZやZZなメンバーが参加している。更新分までプレイしてみたが、グルンガストを除けばスーパー系ユニットはまだ出てきていない。リアル系が多いというのは、特徴のひとつであるといえるだろう。また、インクルードを多く導入していることも目につく。ユニット、武装それぞれを強化できるインクルはかなりそそられました。しかし良いものもあれば悪いものもあるわけで、2話からお目見えする出撃インクルード、これは素直にOrganizeコマンドで十分でありましょう。見映えよりは使い勝手を優先してもらいたいところ。なんてことを言いつつも、楽しめたこともまた事実。SRWとしてキャラを優遇し、強化できる快感を味わえました。ギャラクシーエンジェルやナデシコのファンであるならやってみることを勧めます。

 以下は気になった点。
 GAキャラのダイアログ指定の関係で違和感があるのは抑えたほうがいいです。製作者が違うアイコンだと髪の色が違ったりしますので。 第3話、作中のキャラが「テキストを読め」とか言うのは冷めます。
 オリロボが前面に出る展開はあまりいい印象はないです。終盤、守護魔神が6体も出る展開だけは勘弁してほしい。
 第6話、普通のプレイヤーなら陸地の町を拠点に戦うので海に落ちるのはどうでしょうか。
 基本的な文章作法としては括弧のなかの括弧は『』で表記すること、括弧内の最後に「。」は必要ないことを明記しておきます。日本語に反逆するぜえ、てな意志の表明でしたらば何も言うことはありませんが。

【YUYU】

○評価(50点満点)
戦闘バランス:5(悪くはないが、少々無駄に時間が掛かるようだ)
会話等   :8(かなり良い感じ)
ストーリー :7(大筋は普通だが、適当な作りではない)
システム  :6(スパロボ風の表示等、多少新しい試み有り)
完成度   :7(アラが多いが、細かい物ばかり)
合計評点  :33(平均以上の良作)
※:完成度は完結しているか、足りない画像が無いか、バグが無いか、
  設定や物語等にアラが無いかといった評点です。

飛び抜けて名作というわけではないが、かなりの良作。
一度はプレイしてみて欲しい。

○細かい点
会話はかなり気合いが入っているようで、端々に良い感じの台詞が多い。
戦闘バランスも、やや簡単ではあるが、
気を抜くと落とされる程度の難易度は維持されている。
ストーリー自体は普通の「異星人が侵略してきたのに地球人同士も争ってるぞ」
というものだが、適当な作り方では無い。

○ツッコミ点
主人公や作者のお気に入りのキャラが他よりやや優遇されているようだ。
が、それほど気になるレベルでも無いだろう。

バランス取りの為としても、マップ兵器に掛かっている気力制限がきつい。
敵が多い戦闘序盤で使おうと思っても使えない。
また、非常にHPが高い雑魚も出る。
更に、武器の改造による攻撃力上昇は50刻みである。
というわけで、戦闘に掛かる時間が長引く事になる。
……頑張れば無傷で全滅させる事も可能な相手の時、これはチト辛いです。

それと、細かい粗がかなり多い。
例えばマップを例に挙げるなら、マップのカドの取り残しが有ったりとか、
マップの右半分が前のマップのを使い回してあったりとかである。
会話なら、味方が女所帯なの棚に上げて敵が女なのに驚くとか。
イベントなら、他にも気力上昇していいキャラ居るのに一人だけ上がるとか。
これが気になるかどうかは人それぞれでしょう。

【三笠】

 テラ・ガーディアンのレビューを申し入れた際、作者の白夢さんから「できれば6話まではプレイして欲しい」との申し送りを受け、他のレビュアーにも連絡しましたが、実際にテラ・ガーディアンをやってみると「ああ、なるほどな」と思いました。

 まず、シナリオの導入並びに序盤というものは、プレイヤーを引き込むための重要な役割を担っています。
 導入を作るにあたっては、順序立ててシナリオの背景や登場人物をプレイヤーに把握させてゆっくり引き込んでいく方法と、衝撃の大きな事件・事情を唐突に起こすことによって一気に引き込む方法の2つがあります。
 どちらもシナリオの世界にプレイヤーを引き込む必要があるのですが、導入をスキップするかどうかの前置きで行われている主人公らの掛け合いによって、逆にプレイヤーを冷めさせてしまう事になっています。
 導入の内容に関しても、先ほど挙げた方法論では後者を意識して作ってはいるものの、所々で地の文を入れて解説を入れる事で前者の方法も入っているので、どっちつかずになっています。
 また、この地の文からスパロボα外伝の続きだという事が分かりますが、ナデシコとギャラクシーエンジェルの設定を中途半端に挟んでいる為に、伏線として興味を引かれるというよりは、説明不足による困惑を与えられました。
 こうした説明的描写はこの際切り捨ててしまって衝撃を与える事のみに専念した方が得策と言えるでしょう。
 そして序盤部分へ移るわけですが、突然オリジナルの主人公とバンプレキャラによるイベントが展開されていきます。これでは、折角導入で扱ったナデシコとギャラクシーエンジェルは何処へ行ったのやら、となってしまいます。SRCシナリオにおいてオリジナルの主人公を据えるのなら、むしろ導入において主人公を中心に構成する事でキャラ立てをしていった方がいいかと思います。
 SRCのシナリオ、特にこういったスパロボ形式のものは、それこそ数が豊富にあるので、導入と序盤で巧くプレイヤーを引き込む事ができなければそこで飽きられてしまいます。いくら「話を進めていけば良くなる」と言った所で、始めが拙ければそれまでと言わざるをえないでしょう。

 全体の構成に関しても問題があります。基本的にシナリオは、個々の場面がまずあり、そして複数の場面がまとまった局面があり、そして最終的にそれらの局面が全体のストーリーを形作っていきます。SRCシナリオでは場面が個々の話にあたります。当然、複数話を有機的に結合して局面を作り、それをストーリー全体の起承転結へ繋げなければならないのですが、このシナリオではそれがほとんど見受けられません。ひたすら一話限りの局地戦を繰り返す事で、シナリオを作ってしまっているのです。

 これは、このシナリオの戦争物としての側面にも悪い影響を与えています。
 戦争とは戦略と戦術の2つの段階から見ることができます。戦術はいわゆる局地戦のような、個々の戦闘における活動であり、戦略はこれら多くの戦闘をまとめ、戦争目的に結びつける活動です。
 SRCシナリオでの「戦術」にあたるのは、個々の話での戦闘になります。そして、複数話をまとめたパートを「戦略」として、全体の戦争の中で位置づけていかなければならないのですが、このシナリオではその戦略=全体の戦争になってしまい、局地戦のみによって全てが構成されている「ちゃち」さが出てしまっているのです。
 結果、ロンド=ベルやナデシコは一話ごとに地球へ降りたり宇宙へ出たり、更には火星に行ったりと、実に目まぐるしく動き回っています。ただ地球に降りるだけでなく、どういった目的があって降りるのかを明確にし、そして一話で無理に全て描くのではなく、数話に分けて複数話によるまとまりを意識していけば、より戦争物としてのリアリティが出せるでしょう。

 もう少し細かく見ていくと、個々のシーンで突拍子の無い描写が多く見られます。
 例えば10話。ここは、主人公の過去を描写する事によって、ストーリーを盛り上げる絶好の機会なのですが、ここで描かれている主人公の過去が、それ以前の話において伏線も匂わせる描写も一切無いために、唐突さと違和感が先に立ってしまっています。
 これは、ネタばらしを先にしておけ、という意味ではありません。さりげなく伏線を張っておく事で、勝負どころの描写にプレイヤーが至った時に説得力を与えるのです。
 また、9話で火星からナデシコがボソンジャンプで先行して地球に帰っていますが、その後数ヶ月かかるはずの通常航行で帰ってきたブライト達が、数時間遅れた程度の描写で済まされていたのも水を差されました。
 シナリオにプレイヤーを引き込むためには、何よりも違和感を持たせない説得力が必要です。事ある度に無理やりな描写や前置きなしの展開があっては、ストーリーを楽しむ事は難しいと言わざるをえません。

 最後になってしまいましたが、このシナリオでは「キャラクターの魅力を引き出す」という点において一定の優れたものを感じます。
 原作の存在するキャラクターの魅力を引き出す事手っ取り早い手段は、万人にとって違和感の無い印象を与える「原作のシーンを再現する」事になります。本家スパロボでも、ほとんどのクライマックス的なシーンは原作再現です。しかし、原作再現はプレイヤーにとって違和感が無い反面「先読み」ができてしまうため、純粋な感動を与えるにはパンチが無いという致命的な欠点が存在します。
 では、より効果的にプレイヤーへ感動を与えるにはどうすればいいか。それは、原作を踏まえつつ作者のオリジナリティを出した演出によって原作以上のキャラクターの魅力を引き出せばいいのです。とは言っても、これは言うのは簡単ですが実行するのは非常に難しいものです。何故ならば、各キャラクターに対する印象は多分に主観が混ざるため、ライターが魅力を引き出すために取った演出がプレイヤーにとっては違和感を生じさせる事になりかねないからです。原作への思い入れが深いプレイヤーであればあるほど、巧く魅力を引き出せれば呼び起こせる感動も大きくなるものの、失敗した場合に冷める度合いも大きくなります。
 このシナリオをやっていて、非常に印象に残っている問答があります。その問答は第9話の、劇場版機動戦艦ナデシコでの描写を元にしたテンカワ=アキトとミスマル=ユリカの会話です。原作ではユリカは一切言葉を交わすことができなかった為、アキトの心情のみ一方的に描写されていたのですが、ここではユリカ本人の言葉によって彼女の心情も描写されています。私は実は、機動戦艦ナデシコに対しては並々ならぬ思い入れがあるのですが、不覚にもこのシーンではグッと来てしまいました。それほどにユリカの心情描写には説得力があり、そして感動を喚起させるだけの魅力が引き出せていたと思います。
 なお、同様にシナリオに登場しているギャラクシーエンジェルに関しては、私は一切原作を知らないのですが、こちらは逆に原作を見てみようかな、と思わせてもらえるだけの魅力を感じたことも付け加えさせていただきましょう。

【RIO】

名前からして激烈に寒そうな予感しかしない。

オープニングの前の主人公の漫才。
これも寒いな

そして、オープニングでいきなりギャラクシーエンジェルか。
つまり脱力系のシナリオと取って良いわけだ。そう見よう決定。

あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーつまらない。
プレイして10分見れば見るほど引いてくなぁ

こんなもん6話もプレイする気になれん。
バランスはいいとは思うけど、基本的に全然好きになれん。
α外伝後のストーリーだってのに守護機神とか魔操機神と被りまくりなネーミングをする辺りもうダメダメ。最低限それくらいは考えてもいいんじゃなかろうか。まぁ超獣機神とかいるから問題ないのかしらね。
後、なんだっけ?GA所属の国といつのまにか同盟結んでる辺り唐突過ぎてついて行けないし、α設定だとナデシコでてこないのにボソンジャンプが標準装備になっているし
まぁそこは単なる説明不足なだけなんだけど、なんか不親切だねー

開始10分でコミ箱行きは珍しいなぁ。いやはや

【天羽碧】

 このレビューは最低6話までプレイすること、とのお達しが出されていましたが、私は1話でやめました。
 理由をあげるとすれば、プロローグ.eveの失敗、キャラ描写の失敗。戦闘への盛り上げ方がまったくなっておらず、面倒というだけならまだしも連戦させられるということ。結局のところ痛い本家SRWストーリーの焼き直しであること。そして、これが一番の要因ですが、作者がいまいちと言っていることです。

 まず、プロローグ.eveの失敗について。オリキャラであるシュンが、御丁寧にこう言います。
「いよいよ『テラ・ガーディアン』が始まるわけですが、プロローグは見るだけで操作はできません。そのわりに長めです」
 なぜ長いとわかっているものを見せるのでしょうか。作者でさえ長いと感じる話を、プレイヤーが耐えられるわけがありません。
 ……という印象をプレイヤーに与えている時点で、このセリフは失敗なのです。もちろん謙遜のつもりなのでしょうが……
「だから、プロローグを飛ばす選択を用意しました」
「eveファイルをテキストで直接見ればOKOK!」
 このやりとりではいさぎよさすら感じましたが、
「でも、一度は見て下さいね」
 という言葉で、私は混乱の渦に叩き落とされました。
 これまでのオリキャラのやりとりを解釈すると、
「プロローグは長ったらしいので見ないでください。しかしストーリーがわからなくなります」
 となります。謙遜もいきすぎるとただの自己卑下であり、矛盾の塊です。
 そして、シュン君が言っているように、プロローグ.eveは長いです。長いと感じるということは、退屈に作られているということでもあります。確かに世界設定やミルフィーユの性格を「説明」してはいますが、説明は説明でしかなく、そこに感情や動作といった「動き」がないのです。状況を説明して戦闘に突っ込んで、ドラマはプレイヤーの原作への感情移入に任せるというスパロボシナリオの典型的失敗例といえるでしょう。

 次に、オリキャラの説明で失敗しています。十六夜流剣術正当継承者という設定は、一話冒頭時点で必要だったのでしょうか? 十六夜流剣術という設定をストーリーに絡ませる形で出すことはできなかったのでしょうか? この時点で、痛々しいスパロボ系シナリオという印象を与えてしまっています。
(eveを読んでみたら、1話後半に、シュンの過去の「説明」があるのを発見しました。モノローグや回想は最も安易な手段ですので、なるべくなら避けておくべきでしょう。頼ってしまいたくなるのはわかりますが)

 戦闘ですが、まず、この敵ユニットにスリルがありません。偵察機らしいのでしょうがないですが、未知の敵なら未知の敵で、もうちょっと主人公たちが警戒してあげてもいいと思います。しかも無駄に硬いので、偵察機という印象も受けません。
 無駄に硬い敵を倒したあと、本隊が増援に出ます。もうこの時点でアウトです。敵も強そうです。しかも本家で一番痛いと感じた「超能力で敵幹部と共感」とか言ってます。勘弁してください。というか、シュンに超能力があるなら、ブリッツとクスハいりません。
 性格ではなく、超能力その他の設定で主人公を立たせようとするのは、「キャラを魅力的に描くことができないから、超能力を無理矢理つけてキャラ立ちさせよう」と言っているのと同じなのです。その技法の代表例がスパロボαなわけですが。
 そんなわけで、ここで×ボタンを押しました。

 このシナリオは典型的な初心者シナリオであり、作者さんもそれを認めています。従ってこのシナリオは、レビューに不適切なのではないかと判断しました。なにを批評しても、「それは初心者だったからだ。いまはそんなことはない」「あの頃は慣れてなかった」と言われることがわかりきってますし、作者さんもそう言うしかないでしょう。レビューを断ることも必要なのではないかと思います。
 試しに10話からプレイしてみましたが、一話完結の作り方をされておらず、特筆すべき点もないので、10話からプレイした場合の評価はできません。

 あとは細かいところをいくつか。
 なんとなくかっこいいからつけたのでしょうが、右下にHPやENが表示されるインクルは必要ありません。
 プロローグラベルの最後にClsを仕込んでおくと、スタート時にマップが表示されずに済みます。
 1話、味方ユニットにグルンガストが二機いるのは、判別しづらいので別の機体にした方がいいでしょう。
 10話、プロローグラベルにExitがついてないのでスタート部分が繰り返されます。この症状は私だけなようですが、一応つけておいた方がいいでしょう。これもトラウマディメンションの一部なのかと思いました。

【無駄】

7話くらいまでやりました。
ギャラクシーエンジェル入りSRWと表現するのがしっくりくる作品ですが、
後半いざ知らず「スパロボ」と呼べる機体が少ないのが特徴的だと思いました。
つまり、リアル系主体の戦闘です。「とりあえず集中かけとけ」というバランスですね。集中もち多いし。
まあ、クイックセーブ使ったりもしつつ、微妙に射程戦になりがちだとか、その他もろもろSRWぽく。
面白いんですが、攻撃力不足気味のリアル主体に加えて敵数が多いので、一人一殺式の思考法で戦闘する訳には行かない所があります。
幸い増援等は押さえ気味ですので、
初期配置の敵をじっくり眺めて戦略を練りたいと(予定外増援出す奴は氏ねと)いうタイプの方にはお勧めかと思います。
でも敵が微妙に多くて敵ターンが長いです。
まあ、それでも一点集中で強化したユニットを敵陣に投げ込みゃある程度なんとかなるから、ヌルい人でもおっけー。

ユニットの個性付けがきちんとされてるので、戦闘は面白いんじゃないかと思います。
ギャラクシーエンジェルの誰をひいきにするかで、だいぶプレイスタイルが変わってくるんじゃないでしょうか?
女の子(馬鹿ラブコメ)が駄目だったりする人は避けた方がいいです。
六話のアホさ具合には死にました。いやこーいうの僕は好きだけど。

今回は、作者の為に、ではなく、これからプレイするかどうかという人に向けて書いたつもりです。
あと、ふと気づいたこと、版権midi指定がDSC対応なので、旧SRCMIDIリンクのMIDI名だと、一部鳴りませぬ。欝だ。

【コンバット越前】

SRCシナリオというのは、ある種の総合芸術です。
文章を読ませたり、画像を見せたり、MIDIを聞かせたり、戦闘をプレイヤーの手に委ねたり、色々なことが可能です。このシナリオの場合、MIDIを集めておけば鳴るようです。かなり総合芸術的です。

さて、ストーリーやゲームバランスは他の方に任せて、私は音楽演出の話を少々。
既成の有名な楽曲をBGMに使うというのは、本来は邪道です。視聴者が曲に抱いているイメージを利用し、情報量を跳ね上げるという裏技的な手法です。ヒトラー的です。このシナリオの草壁中将のアジ演説が、正にそれです。
アニメソングを背景にしてのアジ演説……本来なら凄く良いシーンなのですが、残念ながら失敗しています。SRCシナリオでは、既成曲の使用が常態化いるため、想定通りのインパクトは稼げなかったのです。

今後、どんな既成楽曲を持ってきても、それほどのインパクトは稼げないでしょう(耳コピ屋の私が言うのもなんだけど)。ここは基本に立ち返ってみましょう。楽曲を聞かせることにより感情を誘導するという、本来の音楽演出です。

音楽というのは時間芸術です。瞬間的には成立しません。決められた時間の中で作動し、何らかの効果を視聴者に与えます。逆に言うと、効果を発揮するまで時間が掛かるということです。
このシナリオでは、残念ながらその時間が考慮されておらず、鳴り始めたらすぐ終わってしまうことが多いです。これでは、せっかくの楽曲が勿体無いです。

SRCでは楽曲を最初から再生するしかないため、ある程度長い時間を再生する必要があります。
このシナリオに添付されているMain theme.midの場合、最初の1フレーズが解決するまでが25秒。これが、曲が効果を発揮するまでの時間です。
テレビ番組を作ってるわけじゃないので、マジで計算しなくて構いません。「曲を長く流す」とだけ思ってくれればOKです。
25秒という時間は長いです。人は200mを走破し、200字を読破します。

今度は、右脳で曲を聴いてみましょう。このMain Theme.midの持つ機能は?……激しいロック調で、聞くと元気になるタイプの曲です。この選曲センスは最強です。
この曲は善玉のテーマ曲となっており、苦境から逆転するときに流れるっぽいです。さて「いつまで演奏するか?」が問題です。味方が動き出すまでを200文字埋めるか、それとも敵との距離を200m取るか……
……いや、この間の取り方は各々で工夫するしかなく、それが演出家の個性なのかもしれません。

音楽にほんの少し気を使うだけで、演出の威力は倍増します。テレビを観て育った人間なら、既にそれなりの演出センスを身に着けているはずなので、容易に出来るでしょう。
それでは、シナリオ作成頑張ってください。

【上条真】

リリース分、12話までプレイさせていただきましたが、ストーリーにもすんなりと
入っていけましたし、これといって違和感を感じる事もなく進める事ができました。
難易度も比較的簡単で、特にストレスを感じる事もなく進むという印象でした。

その上で、重箱の隅をつつくようで少々心苦しいのですが、
幾つか気になった点を書かせていただきます。

まず、各話ごとにファイルのインクルードと
Optionの設定が行なわれているのが気になりました。
いずれも不具合に繋がるものではありませんが、
毎話使用されるものであれば、Include.eve に記述しておく方が
容量(僅かではありますが)面でも、スクリプト面でもすっきりするでしょう。

また、eveファイルを読んでいる際に気付きましたが、
適度に空行が入っており、読みやすい部分もある反面、
イベントラベル毎の記述や、If文等のネストが分かり難いという部分がありました。
このシナリオに限った話ではないのですが、どんなに注意を払って書いたつもりでも、
実際に動かしてみると何かしらのエラーや誤動作が発生するというのはよくある話です。
その際、できるだけ読みやすいように書くことを心がけていると、
後々のメンテナスが楽になりますし、時間を置いてから読み返した時にも
分かりやすいという利点があります。
これは動作自体には関係の無い話ではありますが、
やはり整っている方がよいと思います。

後は序盤の展開が少し唐突な感じがしました。
もう少し主人公たちの動きと関連付けられた描写があれば
よかったのではないかと思いました。

しかし、全体的に丁寧に作られている事や熱意を持って作られたことが感じられ、
好感の持てるシナリオであると思います。

最後に、このシナリオは私の好きなタイプのシナリオということもあり、
楽しくプレイできました。今後のリリースにも期待が持てるものであり、
個人的にも続きを楽しみにさせていただきたいと考えています。

【えすたま】

4話の途中までプレイしてみました。

全体的な感想ですが、ドラマがちょっと薄っぺらいなぁと感じました。

1話でシュンがリィナを敵の攻撃から庇うというシーンですが、現状ですと特になんの伏線もなく、その日出会ったほとんど赤の他人と言えるリィナを命がけで庇うという少し不自然なシーンです。
そこで、例えばシュンにリィナと同じ年くらいの妹がいて、その妹は戦争で死んでしまいリィナが攻撃を受けたときにその光景がフラッシュバックして、とっさに庇ってしまった……とかなんとかそういうところを今までにないような展開で掘り下げると演出が生きてくるんではないかと思います。

次ぎに、シュンが光皇レイヴァーン&ソフィアに出会うシーンですが、強引というか、展開を急ぎすぎてる感があります。
せっかくの主人公メカ登場シーンなのですから、もう少しドラマチックにしてあげてもいいのではないでしょうか。

αの世界感にギャラクシーエンジェルのキャラが登場していますが、シナリオ開始時にプレイヤが与えられている情報はプロローグでの「新西暦186年より国交を結んだトランスバール星系の多大な協力で」という1文のみです。
これだと、既存の世界観に無理矢理組みこんだようで違和感があります。
宇宙怪獣やゼントラーディ、バルマー帝国とはどういう関係だったのか、地球側とはどういったいきさつで国交を結んだのかなど、モノローグででも少し触れておくだけでだいぶ変わると思います。
つーかぁ…ここまで書いて気がついたのですが、αにはナデシコ出てないですね(;´Д`)
とすると「新西暦185年に和解した木連」という部分もおかしいですね。

バルマー戦役後の疲弊した地球と木連の闘い、その後のトランスバール皇国との接触……
お、自分で書いててどんなことがあったのか楽しみになってきました(笑

自分(シナリオ作者)の頭の中では色々設定があるのだが、それにシナリオが追いついていない感じになってしまっていますので、展開を急ぎすぎず、一つ一つ丁寧に描写していくと良いと思います。

最後に……・
ミルフィーユの強運ネタは使うと思っていたのですが、小ネタにするだけでまさかリアルにアイテムや資金をGetさせるとは思いませなんだ(;´Д`)
爆笑しました。
ではでは。

総括

私自身のゴタゴタが響き、日程その他諸々が
ぐっちゃぐちゃになってしまった中のレビューになってしまいました。
レビュアーの皆さんにはご迷惑をおかけしてすいませんでした。

次回の予定に関しては、年末にかけてシナリオグランプリが迫っているため、
おそらく年が明けてからになるかと思われます。

レビューに関するご意見、ご感想は汎用掲示板までお気軽にどうぞ。

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